「井の中の蛙大海を知らず」
小牧市もかつてはド田舎でした、工業や運送業の発達と共に発展し、今ではどこの地方自治体も羨む立派な市として存在しております
しかし私は味岡中学校を卒業して以来、この土地は寝るだけの場所、さらには住民票が置いてある場所として一切地元のことを省みず、ただありもしない大海を彷徨っておりました
前回の衆議院選挙を経験して違和感を感じ、前回の統一地方選を経て勉強したこと、それはやはり地元の大切さということに尽きるわけです

地方政治を舐めていたわけではありません
地方政治には重要な役割があり、それはそれでやりがいのある仕事だと思っておりました
しかし自分のやりたいことは国でしかできないので上を見続けていたところ、実はもっとも大切な足元の政治感覚というのがないのではないか?と感じたわけです
憲法改正も確かに重要かも知れません、財政問題も確かに重要かも知れませんが、もっとも今重要なのは政治と国民の距離を縮めるということ
例えば地方分権であり、例えば議員定数の問題であり、やらねばならないことはたくさんある中で、特に一丁目一番地でやらねばいけないことはこの地方分権であるという思いに至るわけです
でもまだまだ机上の空論の域を出ていないのです
いくら愛知県という単位や名古屋市という単位で勉強しても、今お仕事をいただいております長野県下伊那郡泰阜村で経験を積ませていただいても、結局私自身は地元で何もしていないからです

本日、昭和62年度味岡中学校卒業生同窓会に出席をさせていただきました
我々が学んだ学舎が2年後に壊されるということもあり、午前中にはその見学を、そして午後からは懇親会を行うという企画です
せめてそれに参加しようと軽い気持ちで出席をしたのですが、いざ自分が25年前に使っていた校舎が取り壊されるというのはやはりいい感じはしないものですね


旧館と呼ばれていた校舎、中学校という場所に初めて入るというドキドキを抱いた1年生時代の淡い思い出と、いろいろと自我が芽生える2年生をこちらの校舎で過ごしました
不思議なものですが、中に入って今じゃまったく違う使い方をしていても、自分がどこの教室で勉強していたのかを思い出せるわけです、人間の記憶力というのはものすごいものですね


3年生、卒業までの時期を過ごした新校舎
正直中学校時代などあまり記憶にもなかったし、大海を知りたいという欲求ばかりで自分の中では捨てたモノであるはずの記憶がどんどん湧いてくるわけです

当時私が学んだ教室です、機材は入れ替わっておりますが床のハゲ具合などを考えますとやはり建てなおさなければならないようですね
変わっていなかったのは窓から見た風景のみでした

さて、大海を知ることもできないままに蛙は井戸へと戻ってきてしまいました
毎年豊年祭という祭りをやっていることは知っていましたし、他のブログ等でも取り上げさせていただき、ご紹介もしてきたと思います
しかし知らなかったのは、その祭りは年々地元の人間が引き継いできていたということです
来年は我々担当の年だというのです、まさに寝耳に水みたいな情けない状態です
本日の同窓会は本当に大盛況で、運営された方々に感謝いたしますが、こういった人の取りまとめもどれほど大変なのか、嫌というほど知っているにも関わらずなんのお役にも立てない自分が情けないわけです
連絡をいただき、出席をし、楽しむだけ楽しませていただきましたが、こういった会を開くのも、お祭りを継承していくのも、実に地元でコツコツと活動をされていた先輩方や同級生の皆様の愛国心から成っているわけです
なんとまあ、大海を知ることもできずに戻ってきた私にとって、この井戸を守り続けていてくれた先輩方や同級生に感謝しても感謝しつくせないわけです

本年の正月、子供が欲しいと田縣神社にて初詣をし、お守りをいただいて参りました
そのお守りの効果適面、ありがたく子供を授かることができました
それだけでもお返しの意味が私にはあります
さらには今までまったくもって地元の役に立っていないという借りもあるわけです
国を変える!だの、地方から変える!だの、偉そうなことばかり言ってましたが、改めて自分の情けなさに気が付きました

かつて消えてしまった名古屋市北区の花火大会を復活させようという活動に参加していたことがあります
あの時は地元ではなかったのでその祭りを自分自身が継承していくのも変な話だということで事務方のお手伝いだけをしておりました
今度は違います、別に消えてなくなりそうな祭りなわけでもないですし、自分自身が参加をしなくてもきっと地元の同級生達が立派に祭りを行い、そして後輩たちに伝えていくことでしょう
しかし私が今やらねばいけないことは政治ではなく、まずは自分の意識を変えることからなのだと痛感した次第です

オシャレと政治はまず足元から

人の親となることで初めて子供にこの土地の文化を継承して欲しいという願いが現実のモノとなった自分へ、今もっとも残しておきたい言葉なのでここに書き記して置きます

最後に、立派な同窓会を企画運営してくださった同級生の皆様、本当にありがとうございます