ネット選挙と浮かれる前に、まず現在の衆議院議員の選挙制度を考えましょう
現在の衆議院の選挙制度は小選挙区比例代表並立制であります
元々族議員と関係団体と官僚の癒着構造が問題になっていた時代に改正された選挙制度ですから当然こういうことがしにくい選挙制度になっております
選挙区を区切り、そこの中からまず候補者名で投票をします、より票を得た一人が小選挙区から当選いたします
今度は政党名を投票していただき、政党の比例名簿から当選する議員が出てくるという、こういう仕組みになっているわけです
選挙区と比例には重複立候補が可能となっているため、選挙区で負けても復活当選する場合があります、重複立候補者が比例名簿で同順位の場合は惜敗率にてその順位が決定します
わかったようなわからないような
わかりやすく書けば、その選挙区には衆議院議員は一人しか送り出せませんということ
比例は敗者復活戦にも使えますということです
この敗者復活戦がないと死票が多くなり、極端な場合だと1票差で当落が決まってしまって大多数の声を繁栄できないのではないか?ということになってしまうのである制度なんです
こうすることによってどうなったか、確かに族議員のような自分の政策だけを実現するための議員は確実に当選できなくなりました、業界団体がいくら強いと言っても、どんなに強い団体でも数万票がいいところ、小選挙区の当落には選挙区の差がありますがおおよそ10万票以上が必要とされるので業界団体一つではなかなか候補者を国会に送り出せなくなったわけです
ついでに、この選挙制度を導入したもう一つのきっかけが政権交代可能な選挙制度ということ
同じ政党がずっと政権をになっていたらいくら理想があれどもやはり腐敗していってしまいます
だから適度に政権交代が可能な制度にしようということでできた制度でありまして、見事に昨年夏に安定多数の本格的政権交代が実現し、この選挙制度の目的を達成したわけです
ただし長所あれば短所あり
政治を目指そうとしている私のような人間に取って、この選挙制度はとても難しい制度です
個人的に安全保障や中小企業の景気対策などは知識も経験もあり、積極的に参加したい分野です、医療制度なども保険運用含めて積極的に参加したいとは思いますが、他の分野、例えば少子化対策なんて自分自身子供もいませんし、そんなん国がどういういうもんじゃないと思ってますしたいした案も持ってません
年金についても実際に蓋を開けてみないとわかりませんが、それほど悲観していないのでまったくといっていいほど無知です
いざ立候補したいと思った場合、今候補者は全ての分野に意見を問われるわけですが、社会人を長くやっていたらお分かりかと思いますが、だれしも得意、不得意分野があるんですよね
政策の総合デパートのような人なんていません、政治を志すからにはそれなりに理由があり、それをどげんかせにゃあかんとばかりに立つのでそれ以外のことなんて知りゃしない
でも出るからにはと政策を掲げると当然賛否が出てきて、賛成はいいのだけれど反対が出ちゃいけないとばかりにズバリとした政策で戦えない選挙になってしまうんです
政策本位の選挙がまったくできないということ
それと、政策本位で戦ったとして、例えば私が安全保障政策を訴えて選挙区の方々もそれは必要だ!と思われたとしましょう、対立候補が年金改革が急務だ!と訴えてそれも選挙区の方々が必要だと思ったとしましょう、どちらか一方しか送り出せません、悩ましい問題ですね
逆にまったく政策論争などなく、ワーワーキャーキャー選挙をやってしらけてしまっている選挙区もあります
選挙区格差というのを産んでしまうことも多々あるわけです
そこを埋めるために、なのかどうかわかりませんがマニュフェストというのを政党が出して戦うようになりました、正直これも政策と呼ぶにはおこがましい、題目だけ並べただけのものだと批判もあります
一番笑ったのがエコを目指します!と言いながらこんな紙媒体を大量に印刷して各選挙区へ送りつけてくる神経でしょうかw
そういう現場レベルのブラックジョークは置いといて
民主党のマニュフェスト、当然敵のマニュフェストなのでじっくり読みましたけど、これ実行されたらエライこっちゃと思っていましたがまさに今忠実にそれをこなしているのが現政権です
しかしあれほど猛烈に支持されていたはずの民主党がマニュフェストを実行したら「こんなはずじゃなかった!」って言われているんです、たった半年でですよ?!
つまりマニュフェストなんて全然読まれていないか、一部共感できるが他の部分は反対といった感じを持っている人が多いということですよね
まず国民がどういう政治家がいいのか、そういう政治家像を描かねばなりません
それをブログなりmixiなりツイッターなりで発信していきましょう、そこからはじめないとね
そこでコンセンサスが得られたらそれに見合う選挙制度に変えましょう、今の選挙制度は政権交代を起こすためのシーソーゲーム的な要素が多分に多い選挙制度です、一番の欠陥は小泉郵政選挙の時にも指摘されましたがマスコミの煽りが効きすぎてしまうということ
族議員廃止、政権交代可能という目的を達成するために多めに衆愚政治化しやすい制度になってしまっているんです
まず政治家の仕事とはなんぞやということがはっきりすれば、そういう人を送り出しやすい制度に変えればいいだけですからね、その政治家像が変わったらまた変えればいいんです
半永久的にメンテナンスフリーでなんとかなる制度はありませんから
ということで、次回は政治家の仕事とは何かっていうのを書いてみたいような、みたくないような
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