2012年春から放送されていた「氷菓」というアニメがある
神山高校古典部での出来事を推理小説っぽくしたライトノベルが原作で、それを人気のある京都アニメーションが映像作品化したアニメだ
舞台は岐阜県高山市、物語に出てくる場所すべてが実在する場所であり所謂「聖地巡礼」が可能なことで多くのアニメファンを観光客として呼び込むことが期待されているわけだ

実際にTwitter上にて「氷菓の聖地巡礼行ってきます!」などのTwitterを散見することができる
地元名古屋のアニメ好きなら日帰り旅行ができる距離なので行きやすいこともあるのだろう
「千反田えると折木奉太郎がお茶してた喫茶店なう!」とか「ここのカレーがとってもおいしい」だとかのツイートを見ることも多くなり、「聖地巡礼」は順調に推移しているようだ

さて、多分成功しているであろうし、他でも実績のある「聖地巡礼」は置いといて

氷菓の素晴らしいと思ったところは最終回にてヒロイン千反田えるちゃんが進路を選択する際に理系大学を目指すと言わせて、必ずここに戻ってくると宣言させたことかもしれない
アニメ作品中にて千反田家はこの土地の豪農であり名士の家柄であるらしい、そこの娘である千反田えるは普段は気になります!とどうでもいいことを気にかけて主人公折木奉太郎を振り回して探偵ごっこをする作品なのだが、この時ばかりは身が震えました
可愛らしい萌えキャラの千反田えるちゃんがしっかりと自分の人生のプランを持って、農業を真剣に勉強し、高く売れる作物を作って地域を支える決意を口にするのです
可愛い顔して素晴らしい愛国心じゃないですか!

領土問題できな臭い昨今、愛国心の意味も狭義の意味で捉えられがちですが、実際には郷土愛から発していない愛国心などありえないわけです
いい年をした我々は地元で何をしていますか?経済に貢献していますか?地域活動に協力していますか?
衰退する山村を見てそれを感じて、それをいくら言葉にしようが動画にしようが都市部の人には伝わらないわけですが、それをこの萌えキャラがさらっと軽く伝えてくれたのです
なんだか感動しました、本当に感動しました
氷菓というアニメはそういう意味で本当の「まちおこし」の原点を最終回に伝えてくれたのだと思います
萌えキャラ女子高生すら故郷に骨を埋める覚悟でいるぞ?我らはどうだ? とね
そういう意味で氷菓というアニメは私の中で高評価になった作品です

お時間がありましたらBlu-rayなどを借りてみてはいかがでしょうか?