第9地区

前宣伝からすればもっと違った意味の映画を期待していたのだが、なんともまあびっくりしたのがコメディな感じだったこと
主人公が冒頭エビと軽蔑していた存在にどんどん同化されていくということで物語が進むのだが、制作側が一生懸命意識した政治映画にはしたくないという意思との調和でほどよいバランスで重いテーマがコメディの部分といい感じになっている
正直ハリウッドのSFモノを見ている身としてはアクションシーンは物足りないと思うのだが、圧倒的な科学力とかを持っていない弱い立場の宇宙人を描くとこんなに面白いんだねって思える
近年稀に見ぬアイデア賞なのではないか?

話は20年前きた宇宙船、それがアメリカ大陸でなくなんとヨハネスブルク上空に来るところから始まるのだが、これがまたコメディだよね
宇宙人の好物はキャットフード、これはもう無条件に大好きらしい、他には肉類みたいで、牛の頭が好きみたいなエビと呼ばれる甲殻類っぽい見てくれ
一応言葉はしゃべれるみたいで、難民風にやってきたので保護対象になっているという、その保護している区域を第9地区と呼んでいるとか
主人公はこの宇宙人を管理している会社の役職者っぽい、情けない感じの主人公だが冒頭の新人研修みたいな短編のシーンはまさにコメディ
そこからどんどんその小馬鹿にしていた存在に主人公がとある原因でなっていくわけだ
ある意味人間の強欲さやエゴがむき出しになり、ある意味宇宙人達の純粋な心があらわになり、なるほどねえっていう感じ
本当にハリウッド的な爽快感とか痛快さを求めてはだめ
どっちかといえばグダグダになって終わるフランス映画よりはアクションがんばってるじゃん的な映画に見えるのだが、しかし切り口と構成が独特で面白いんだな

こむずかしく考えないで気軽に見てはいかがでしょうか?という作品に仕上がってますよ