ACL準決勝 名古屋グランパスエイトよよくがんばった

アルイテハドに6-2で破れて迎えたホーム戦

正直チケット買った翌日に6-2で負けたのでテンション下がるわなと思いつつ瑞穂へと足を運んだ

カテゴリー1の前から3列目、コーナーキックが良く見える場所に陣取っての応援

 

サッカーの歴史が何年かはわからないが、長い歴史の中で繰り返されてきたであろう典型的な試合になるだろう

それはアウェーで点差つけられたのを取り返しに行こうと攻撃的に望み、攻めあぐね、そしてカウンターを食らって沈むのだ

わかっている、わかってはいるがそうしなければ、戦う姿勢を見せてくれなければ金を払って見に行った観客は納得をしないし、選手たちも納得をしないのだろう

ピクシーはやはり守備を捨て、攻撃的選択肢を選んだ

ケネディ、巻のデカいのを前に置き、さらに玉田の3トップ

個人的には小川を中に入れてサントスを外に出した方がよかったのかもしれないと思ったが、満足できるだけの攻撃的布陣だった

 

試合が始まり即グランパスの選手たちは相手にプレッシャーをかけてボールを奪うと攻撃的に攻めた

15分までに1点が取れないと相手に主導権が移るぞと思いながらヒヤヒヤしてグランパスを応援するも、相手もうまい守備でなんとか凌ぐ

やがて相手も攻撃になれてきてツボをついた守備をし始めると主導権がゆっくりとアルイテハドに移って行く

 

サッカーとは主導権の奪い合いのゲーム

 

その主導権とはミスで移る時もあるが基本的にずっと試合を支配し続けることなどできない

やがて20分過ぎくらいから相手のカウンターが決まり始める

ここでグランパスが耐えられるかどうかが試されている、しかし守備をバッサリ捨てて攻撃に臨んでいるため当然危うい

そんな中、左サイドからすばやく攻めてケネディのヘディングがポストを叩く

ああああ、惜しい

そう思っている間にすすすーっとアルイテハドがカウンターを仕掛ける

そう、選手もサポーターも攻撃にばかり集中しているのでカウンターが決まり易いんだ

ああああ、危ない

そして失点、瑞穂が静まり返る

 

不思議なものだ、相手ゴールが決まったと言うのにその実感がまったくない

おれの席の目の前で確かに決められたんだ、でもスタジアムが静まり返っていて何が起きたのかそこに詰め掛けた11000人が理解できなかったのだ

スタジアムのアナウンスがちょっと遅れてゴールを伝えると、ああ、決められたんだという実感が徐々にこみ上げてくる

 

アルイテハドというチームはいいチームなんだと思う

戦術の意図は徹底されていて、しっかり守ってカウンター、そういうことをしっかり遂行できるチームなんだと

途中キーパーが倒れたフリをしてみたり、中東特有のいやらしさはあるが技術はあるチームなんだと思う

だからこそこの1失点が絶望的にも思える

あと5点取ればいい、でもその5点を取りに行く事でさらに失点をするだろう、だがそこで取りに行かないという選択肢は我々には残されていないのだと

 

後半早々、電柱にもなれなかった巻が直志と交代

これで前線に多少の余裕ができて動きが出るようになるが、ケネディがあまりにもボールが来ないからなのか戻って守備をしたりサイドに流れてクロスを上げる場面も

おいおい、あんたは真中に居てくれよw

そのケネディ、後半開始早々にフリーになるもシュートはキーパーにしっかりと掴まれる

なんとかビッチもフリーになったけど同じ

チャンスは作れてるんだけどね、相手は守備的に来てるんだから仕方ないんだが決められない

そしてなんだかわからないうちに2点目を決められていた

やっぱり選手もサポーターも視線が攻撃にばかり集中しているので電光石火のカウンターをされるとついていけない

気が付けばキーパー長谷川が飛び出していて、そしてなぜかゴールを決められていたのだ

 

唖然

 

何度も書こう、これはサッカーの歴史上何度も繰り返されてきた光景だ

こっちは攻めるしかない、だから守備を犠牲にしてまで攻撃のオプションを増やす

しかし相手にしてみたら攻めてくるのがわかっている、さらに今回の場合では点差も大きいから守ってさえいればいい、そして時折カウンターを食らわせればいい戦いなわけだ

1点2点取られてもいいやというチームがさらに2点を追加した

ここまでの戦いを見てもアルイテハドというチームはかなり老練で手ごわいチーム

そしてあと6点取らなきゃいけない状況に追い込まれたグランパス

 

ピクシーはどういう手を打つんだ?でもリズムが悪いわけじゃないから本当に難しいんだよな

でもここで手を打たないとずるずると相手のペースに巻き込まれてしまう

おれならどうだろう?サントスを下げて田中隼磨を右に入れて小川を真中に持ってくるか、もしくは吉村か慶と変えて中盤を安定させるか

どれも消極的だな、今ここでする交代ではないか

しばらくしてピクシーが手を打つ

玉田OUT、杉本IN

ええええええええええええええええええええええええ、玉ちゃん代えて恵太?!

恵太なんて入れたってスペースないじゃん

でもこれが監督の指揮ってヤツだろうね、ここでさらに攻撃の選手を入れることで守るな、攻めろというメッセージになるわけだ

そしてその直後、目の前で恵太がオーバーヘッドシュートを決める

思わず立ち上がって恵太!!!!!!って叫んでしまった

 

戦う姿勢を前面に出し、そして相手がガチガチに守る陣内で苦戦し続けたグランパスの、そしてその場に居ながらため息をついていたサポーターの、その思いがやっと実った瞬間だった

この時点であと5点取れるとはだれも思っていない、でも戦う姿勢をここまで前面に出してくれている選手や、それを鼓舞する監督をだれも責めはしないだろう

 

そこからもグランパスの攻撃の手は緩まない

多分テレビ観戦していたらこんな前半の最初から中盤省略するようなゲーム展開はクソゲームと評していたかもしれない

しかし現場の雰囲気は違う

後半残り時間もわずか、アルイテハドは立て続けに交代枠を使い時間を消費していく

ピクシーの手元のカードにはもう攻撃的オプションは残っていない、サントスに代えて吉村を送り出した時にはもう残り時間数分だった

最後まで攻めた、そして力尽きた

 

さらに何度も書こう

この試合展開をひっくり返せる事例と言うのは本当に少ない

相手が強いチームならばさらにひっくり返すことは困難な状況でグランパスの選手たちは本当によくがんばってくれたと思う

それは本当に監督の采配にも現れている

何年前だろう、ベルデニックの頃か?サッカーはうまくなった、しかし戦う姿勢が見えないと酷評したことがある

サポーターは何を見にスタジアムに詰め掛けるのか考えろと、金返せとも書いた記憶があるw

戦わないならピッチを去れとか偉そうなことを書いてたな、恥ずかしい

しかし今回は惨敗と言えば惨敗さ、ホームでもアウェイでも負け、記録としてはグランパス2敗で準決勝で敗れましたというだけのこと

でもこの試合の意義は大きい

ピクシーが監督になって何がよかったかって、戦う姿勢が見えることだと思うんだ

戦術的にはもっと充実していた時代もあったと思うし、結果だってもっと出せていた時代もあったわけだが今が一番グランパスとして楽しいと思うんだ

 

瑞穂を後にする、だがなぜだか敗戦の後のくやしさがない

それは選手や監督があれだけ戦ってくれて満足だったからだろうと、そう思うんだ

グランパスの皆さん、ありがとう

まだまだJ1も天皇杯も残っております

一度でいいから瑞穂に行ってみてくださいませ