ガンダムAGE 第八話

子供向けというより少年誌のノリだということは理解していたつもりだが、さらにぶっ飛びまくっている
ガンダムタイタスという新兵器が投入される
元軍人的には兵器というのが作られてすぐに実戦投入などあり得ないと思いつつもそこは少年誌だからとぐっとツッコミを我慢していた
案の定タイタスは強かった、あっという間に新型UEを倒し、さらにザラムとかエウバとか争っている人たちが手を組んでも歯が立たないのにそっちにいっても大活躍
しかしタイタスの天下は前半だけであったw

この展開の速さは限られた尺で三代百年に渡る物語を紡がなければならないためしょうがないのか?w

後半、市街地に進出した新型UE3機を駆逐するために現地に向かうが役に立たないエウバやらザラムのおじさん達は市民の誘導係に格下げ、フリット君も意味不明の組手をしてしまうものだから他2機のUEが暴れ放題
しまいには誘導係に徹していたはずのおじさん達のところにUE登場、フルボッコでやられます、役に立たねーw
そこになんとなんと、白いモビルスーツ登場、もうこれウルフさんしかいないでしょw
ってかウルフさん、後でわかるんですが連邦軍のモビルスーツを改良してもらったんじゃなくて新しいのに交換してもらってきてやがんの
完品横領だぞそれw
戦争である、とか、町が襲われている、という緊迫した状態などそっちのけでウルフさんショーが始まる
目の前のUEをバッサリ切り捨てると、もう1機のUEのところへ飛んでいくかと思ったらビルの屋上を踏み台にして走る

おいおい、このビルの強度どんだけよw

さらにそのビルの上で踏ん張る、おいおい
さらにそのビルの上でUEを切り刻んで大爆発、おいおい
この戦闘の間、本物の軍人さん達は港に停留中の母船から見守って実況中継、子供たちも母船の中でがんばれと応援するだけ
どんだけキャラ動かさないのよ、このアニメ
戦闘のパターンも決まっている、強いほうが受身になるんだ
弱いヤツが一生懸命撃つ、切るをやっても跳ね返されるというのが強さの象徴になる、強い方は傷ひとつ負わず、弱い方だけが一方的にやられる演出
戦術もなにもなくただこの構図、これって80年代ジャンプの古い演出ですね、まさか2011年にコレをやってくるとは、漫画やアニメで目の肥えた21世紀の少年少女を小馬鹿にしすぎですね
この作品を8話まで見て本当に不満なのはキャラが動かないということ、これなら別にアデランスの中野さんとキン骨マンと岩男だけ置いといて実況させとけばいいじゃんみたいな感じなんだよね
AGEシステムが新兵器を開発してしまうのでメカニックさんはただの整備員でしかないし艦長は悪巧みするだけの人だし、なんとも言えず存在感のないギャラリーに徹する人たちが多すぎるんだ
UEに襲われて避難している人たちが「ザラムとエウバが共闘している?」なんて緊張感ないコメントするかっての、アホ

ガンダムではなくイナズマイレブンだという評論もあるが、イナズマイレブンはサッカーをしてないサッカーアニメだが、この作品はガンダムどころか戦争すらさせていない
戦争アニメの重要さって子供たちに戦争は悲惨だよ、戦争は怖いんだよということを知らせる必要もあるということ
特に実世界がきな臭くなってきた昨今、そういう啓蒙がさらに必要ではないかと思うのだが、これは戦争モノですらなくプロレスモノに成り下がってしまっている
超合金出すためにロボットモノにして、ドカーンバキューンかっこいい! みたいな70年代アニメに後退していってしまっているわけだ
かといってアニメ作品的な面白さもどこにもない、驚愕するくらいに面白くないんだ

ガンダムというブランドさえ付ければプラモデルやゲームは売れる
という間違ったスポンサーのマーケティングを見事にぶち壊すだけの破壊力のあるガンダムになってきたわけだ
お金を出してもらう以上、商売をしてもらわないと困るのだが、あまりにそちらの意見が強すぎると結果消費者である我々の心を惹かない作品に仕上がってしまう典型のような作品
プラモデルは売れなさすぎて投げ売り状態、来年夏に出るであろうゲームもこの状態では本作品が面白くないので売れないことだろう
大金をつぎ込む以上、自分たちの商品の宣伝になるようにと思うのは仕方のないことだが、センスのない人たちが口を出しすぎて作品を壊してしまうのもどうかと思うんだ

ガンダムと並んでロボットアニメといえばマクロス
マクロスの最新作であるマクロスフロンティアは素晴らしかった、歌を売るための作品に成り下がらず、と言って歌を買いたくなるような、見事なプロモーションビデオに仕上がっていたんだ
曲数だって半端ない、25話終わるまでにアルバム2枚出せるだけの曲数を投入、劇場版1作に付き1枚のアルバムが作れるだけの曲をクオリティを保って投入してきたわけだ
人間ドラマも伏線もちゃんとあって、作品自体も楽しめて、さらに戦闘かっこいい!と言わせるだけの飛行機オタク全開なメカデザインもしていたわけだ
一体どこでガンダムとマクロス、こんなに差が付いてしまったんだろう?
ガンダムAGEも後発なのでマクロスフロンティアの成功は見ただろうに、新しいファン層の獲得ってああやるんだよって理解できなかったのか?それとももうちょっと下の世代をとり込みたかったのか?
マクロスフロンティアのウリが歌で、歌が随時投入されていって売れたことを考えて、ガンダムのウリはロボット、だから新型ロボットを逐次投入するということはまあ理解しなくもないが、かといってあの程度のクオリティのロボットが大量生産されてもねぇ
バンダイさんにはかつてのプラモデルの販売データがあるはずだ、ガンダムが大量に売れる反面でジムは売れなかったはずだ、明らかに今投入されている新型ロボットはジム程度の適当デザインのモノばかりじゃないか、活躍のさせ方も筋があの程度でキャラクターも動かないから見ている人たちの感情も動かない、だから思い入れがないので手元に欲しいと思わせるだけの思い入れができないわけだ

もうすでにおれの興味はこの展開の中、三代百年に渡る物語を継続できるのか?の一点にある
ゲーム発売予定となれば筋も変え難いだろうし設定だって変えられないだろう、さらにはゲーム発売が来年の夏なのでそれまで打ち切りもできないだろう
勝利も敗北もないまま孤独な放送は続いていく