アルジェントソーマを見た
アルジェントソーマってアニメを知っていますか?と
おれは全然知らなかった
2000年頃に放映されていたらしいのだが、誰の話題にものぼらず、たまたまTwitterで「なんか面白いロボットアニメない?」と聞いた時に出た名前だったので見てみた
やはりこの頃の作品は多かれ少なかれエヴァンゲリオンに毒されている、これは致し方のないことだろう
淡々と押しかけてはやっつけられるエイリアン、そのエイリアンの目的はさっぱりわからんが巡礼地なる場所へ侵攻しようとしているということ、エイリアンの襲来によりNYが壊滅状態になるくらいの被害を受けていてちょっぴり終末思想っぽい危機感はあれど、平穏無事に生活している人々の姿も多い
主人公は理系大学生、なんとやらという素晴らしい金属を開発したとかで開発仲間も盛り上がってはいるが、彼女とうまくいっていないらしい、誕生日のデートすらすっぽかされてご機嫌斜め、どうしてもその素晴らしい金属で作った指輪を渡したいとストーキング開始!
理系学生らしくサーバーログからどこにいるかを割り出して。。。と突然拉致られモルグなる変な施設に連れ込まれたところから話は始まるわけだ
そこに居たのはちょっと変わった野口教授と、その野口教授を心底すごい先生だと敬愛してやまない主人公の彼女たるマキちゃん、メガネっこなんだね うふふ
やっと念願の彼女に会えたにも関わらず表情乏しいマキちゃん相手に主人公ブチギレ、渡したかったはずの指輪もゴミ箱に投げ捨てる勢いです、まぁこの勢いがあったからこそここまでストーキングして辿りつけたわけでもあるんだけどね
そこの施設はなんと倒したエイリアンのパーツを継ぎ接ぎしてフランクなる人造エイリアンを作ろうというプロジェクトであったわけだ
冒頭だけでこのドタバタ感、さらにそのエイリアン起動実験に巻き込まれる主人公、結局押し切られて実験に参加するも、起動したエイリアンは暴走、そしてさっきまでしっくりいってなかったマキちゃんはこの時の自己でぺしゃんこ、左手の薬指にはさっきゴミ箱に投げ捨てた指輪が
主人公も半死の重症を負いながら生き延びてそこからなぜだかフランクに対する復讐に燃え盛るわけだ
カネシロタクトというのがここまでの主人公の名前、これを怪しいおっさんが出てきてリウ・ソーマに名前を変えられ、顔も半分傷だらけの状態で経歴もでっち上げられていきなりエイリアン退治部隊であるフューネラルに配属され、そこのエースパイロットとシミュレーションで結構戦えちゃうヤツになっちゃうわけだ
一方逃げ出したフランク君はど田舎字ど田舎みたいなところの湖にどぼん、そこでマキちゃんが歌っていた変な歌(失礼)と同じ歌を歌う少女ハリエットと出会うんだが、このハリエットちゃん、13才の割に途中意識がなくて5年ほど眠っていたらしいんだけど、トンデモなくうざいクソガキです
あの無口で知的でメガネっ娘なマキちゃんとは大違いでこんなクソガキがヒロインなのかよ。。。と冒頭からガッカリ感があったのだが評判のいい作品だけど中だるみを乗り越えろとのご指示でしたのでぐっと我慢、話数を進めるペースもそれほど早くなく、暇な時にちょっと見る的なノリで乗り越えることにしました
このハリエットちゃんの爺さんが元軍人、妖精人形を作り続けていたこともあり、このハリエットちゃんとしてはフランクが妖精に見えたらしい
「妖精君、私を妖精の国に連れてって!」
なんでこのクソガキがフランクと会話ができるのかと言えば後ほど出てくるのだが、エイリアンに襲われた時に両親を失い、その時にエイリアンの破片が体の各所に飛び散り、一部が脳みそにあったかららしい、昏睡状態から起き上がって動けるようになった今はきっと13才というより幼さそうな設定なので精神年齢8才なんだろうね
さて、細々と書きましたが、他にもフューネラルメンバーのそれぞれの過去など掘り下げ具合ハンパなく、これはロボットモノではなく少女漫画、もしくは韓流ドラマに近い感じだ
20代前半であろう主人公と13才しかも脳みそはクソガキのままのヒロイン、ぱねぇw
フューネラルの使っているザルグという変形型ロボットはもうエヴァンゲリオン好きならわかるようにエイリアンの一部を使った機械ではなくエイリアン自身を閉じ込めたモノです、案の定途中でリミッター云々のフラグ立てて実際に暴走させたりしてます
これは安易に想像がついたのですが、エイリアンの正体やら目的やらが不明
しかし不明でも気にならないくらいにソーマ君の復讐劇や、そのソーマ君にヤキモチをやく同僚などの人間ドラマで盛り上がってくれます、そしてなんだかんだいいながらもメンバー各位、そしてフランクとクソガキでエイリアン退治をして一体感が出てきたり、でもやっぱり許せなくて復讐に燃え上がったりとまあドロドロしたり爽快になったりで中だるみは少ない感じだったように思う
特に主人公であるソーマ君最高!クソガキが妖精君!妖精君!とあまりにもウザいのはきっと視聴者も一緒、そのクソガキ相手に毒舌吐く吐く、たまにやさしい言葉をかけたりするのもとてつもなくツンデレ野郎だぜ
自分の恋人を殺したはずのフランクに親近感を持ってしまってそれを消そうと必死に復讐に燃え上がるテンションを上げたり、クソガキとマキちゃんを重ねすぎて惚れてることを認めたくないからと毒舌吐いたり、しまいにゃクソガキハリエットが自分に笑いかけずフランクにしか笑いかけないのを猛烈に嫉妬したりどんどん壊れていきます
ここまでクレイジーな主人公は珍しい、ツンデレヤンデレ毒舌ロリコン、圧巻だぜ。。。
意外と秀逸な筋なので、最後までエイリアンの正体や目的がさっぱりわからないわけですが、なるほど!と思わせるオチを見事に隠蔽し続けました
と、同時に組織の腐敗だとかいうオトナのドラマが進行していて、途中から物語が熱血軍隊モノから一気に白い巨塔のようなオトナのドラマに昇華していきます
その頃主人公はどんどんヤンデレロリコンになっていくんですけどねw
いろいろと伏線をはっているかのように見せて誤解を誘発させ、主人公目線で物語を引っ張っておきながら一気にそれらを炸裂する辺り、終盤はかなり盛り上がります
これはもう全然予想もつかないオチですよ
ここまで主人公であるソーマ君の気持ちと同化させるために一生懸命中だるみと呼ばれる作業を淡々と繰り返し視聴者に刷り込ませて置いての炸裂なので効果ありますね
最近では見ていると途中で予想が付いちゃう筋が多い中でこれは秀逸なる技法ですね、この作品のファンの人はこの筋にやられちゃうんでしょう
結論からいいますと、やっぱり主人公とヒロインは結ばれなきゃいけないわけですが、世の中いくら年の差カップルが流行とはいえこれが放送された時代は2000年です、まだ年の差カップルといえば三船美佳さんくらいの時代ですからこのまま結びつけるわけにはいかんでしょ
でも主人公のソーマ君ったらエイリアンが巡礼地に辿り着くと世界が崩壊するっていうのを真に受けて勝手にハリエットを釣れ出して、しまいにゃ最後くらいおれに笑いかけろくらいのツンデレ告白までしまくった上に結局いろいろありましてパニック→カミングアウトそれでもまだまだストーキング気質が改善されずに13才の少女に諭されてやっと真人間になるわけです
本当に見た目BL系狙いすぎやろ!って思ってた主人公の壊れっぷりがたまらなく笑えます
最終回は一気に6年後に飛び、ハリエットが19才になっているわけです、まあこうしないとさすがに13才のクソガキハリエットにマジ惚れしちゃってて収集つかなくなった主人公のままではかわいそうですからね
あんなにぶっ壊れてたソーマ君の何がいいのかわからないけど周囲はもうソーマ君とハリエットちゃんを祝福ムードなんです
まてまて、この二人は勝手にソーマ君が盛り上がって振り向いてくれなきゃいじめ倒して甘えられたらいい気になってロボット相手に嫉妬してただけだろうに、いつのまにハリエットちゃんもソーマ君に惚れてたんだw
まあでも順当に行けばこの二人をくっつけて終わりってしないと終われませんからね、最終回1話使ってエピローグをやってます
個人的にはフューネラル所属のオトナの女であるグリーン中尉の薄幸空好き女っぷりがいいなと思うのです
それぞれのキャラにそれぞれのエピソードがあるのでじっくり見て萌える要素あるのに、なんでこのアニメはマイナーアニメなんだろう?
年末年始にすることなくて暇を持て余しているようであれば見てみるといいかもしれません
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