狼と香辛料 相場師なら見るべし!

後輩からかなり前に借りていてそのままにしていた狼と香辛料というアニメ作品を見る

狼少女と言うか、なんだろう獣耳とか尻尾の生えた少女に萌える類の分類があることは知識として持っていたが、これはその最たるモノなのかと最初思った
「先輩、相場とかやるし西欧史にも詳しいからきっと気に入るとおもいますよ」
との気遣いが憎たらしいくらいこの世界観はビンゴだ
ベルセルクがここ数年ただのファンタジーRPGの世界しか踏襲できなくなってしまった中で、なんともいい感じの中世欧州から近代への芽吹きを感じる世界観だ
日本では世界史を軽視しすぎていて、元々宗教も歴史観も違う西欧思想の根本などに思いを馳せる人間など一部の思想研究者か、それともおれみたいなただの歴史マニアかしかいない
その思想研究かもほとんどがマルクスとレーニンだけを語ることに力を費やしている昨今だからこそ先人たちはシェイクスピアを読めという
だが今回の作品はシェイクスピアの逆というような、ユダヤ商人バンザイと言うような作品で実に面白い
中世カトリックの古めかしい価値観など近代思想を小学校から植え付けられてきた現代人に理解できるわけもなく、さらにはカトリックに染め上げられた経験のない日本人ならば余計に理解できない
だが近代思想、つまり資本主義の原点であるユダヤ人の考え方は理解できるし親近感を覚えるわけだ
言っていることがわからなくてもいい、見てみればわかる
相場ってなんだ?資本主義ってなんだ?
刷り込み教育の弊害、世界史軽視の弊害で現代日本人が教育は一通り受けているがわけもわからず単語や計算式でしか覚えていないこと
そういうのが流行り(?)の獣姿の美少女でごまかしながらも結構難しいテーマを取り扱いながら話は進んでいく
信用取引、貨幣、政治背景、宗教権力、そういった世界史教育では言葉でしか知らないようなことが実物語として語られるから一度見た方がいい
こういう時代からほんの数百年であっという間に現代になる
いろいろ書きたいことはあるがまあ見てくれ、社会人でも、いや社会人ならばこそ楽しいこと請け合いだ
第二期まで見終わって、いまだにあの狼少女には馴染めないが、今流行の肉食系女子と草食系男子の組み合わせを如実に描いているとすれば秀逸な構図ではないか
なかなかに面白く、なかなかに興味深いテーマだと思うよ